LinuxはWebアプリケーションを構築するときに開発環境として使用しています。実行環境ではレンタルサーバを使用してバックアップ・ウィルスチェックなど管理をプロバイダに任せられるところを選んできました。 最近ではグループウェアを所望されるお客様の声が増えてきました。その場合レンタルサーバではなく自社内にサーバを持ちたいとの意向もあるかと思います。私が今まで手がけてきた小規模業務システムではせいぜい5、6端末でしたのでお客様の事務所にサーバを導入する場合はWindows2003サーバを使用していました。しかしグループウェアとなると担当者1人に1台と考えると端末数は増えてCAL(クライアントアクセスライセンス)費用が大きくなります。
そこでLinuxをお客様に導入することも想定して、改めてLinuxディストリビューションを見直すことにしました。当方の場合はSI様を通じてシステムを導入しますので、SI様にわかりやすいインストール手順、管理用ユーザインタフェースが必要です。またオンラインバックアップが行えること、ファイヤーウォールなどのセキュリティが設定しやすいことも重要です。Fedora Core 6とUbuntuをインストールしてみました。使い込んだわけではなくインストールしてみた印象ととらえてください。
項目 | Fedora Core 6 | Ubuntu 6.10 desktop-ja |
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OSインストール | ウィザード形式で難しくはない | ウィザード形式で難しくはない CDからOSを起動してインストーラを実行 |
試したユーザインタフェース | GNOME |
GNOME |
バックアップ | インストール時にLMVの選択がある | Alternate版にしないとLVMが選択できない パーティション構成によってはAlternate版でもLVMにならない |
セキュリティ | ファイヤーウォールが設定しやすい |
調査中、Fedora Coreよりアクセス制御が難しそうな印象あり |
その他 | パッケージの更新が素直に実行できなかった(更新通知サービスを止める必要があった) | Widowsを含め他のパーティションを自動マウント SAMBA(Windows共有)が容易に導入できる サーバソフトに使用するデーモン自動起動の設定に多少癖がある(aptを使わなかった場合に引っかかった) デフォールトでインストールされるパッケージが少ないのでソフトをインストールするときに依存するパッケージを追加インストールする必要があった。 |
Ubuntuのデフォールト環境は結構良くできている印象がありました。しかしサーバとしての細かい設定となると強力なGUIやaptによるインストールは役に立たない気がしました。細かい設定を行わなければならないソフトはそんなに多くはないのでそれ以外のソフトをaptに任せてしまうと良さそうです。