イノベーションを起こさないソフトウェア

当方は普段受託開発をしていますが、2002年3月には受託ではなくSI様常駐で生産管理システムTPiCSの外付けシステムのプログラム作成に携わりました。

このパッケージは資材所要量計算(MRP)に改良を加えたf-MRPの機能を持っています。TPiCS導入の動機は短納期化・在庫削減など経営レベルのメリットの追求にあると思います。システムに関連する部署も営業・生産計画・生産部門など広範囲に渡り、システム導入にはこれらの部署の連携が欠かせません。

ひるがえって当方が普段受注しているシステムはどちらかと言えば現場レベルのメリットを追求するものが多いです。色々なお客様に導入させていただいていると、仕事が半分に減った(効率が2倍になった)と喜んでいただいている事例もあり、お客様の業態に合わせてシステムを提案し構築することが効果をもたらすことを実感しています。

「業務をソフトウェアにあわせる」と言われることがあります。パッケージの特性を生かして経営的なメリットを出すと言う意味ではそのとおりなのですが、このことがパッケージを「ノンカスタマイズで導入すべし」ということに即つながるわけではないと思います。当方のような導入経験をしていると現場レベルのメリットを切り捨てると無視できない損失を生むであろうことが想像できます。経営のイノベーションを起こさないソフトウェアもそれなりに重要です。

TPiCSの導入ではパッケージで経営メリットを追求し、外付けシステムで現場メリットあるいは現場の損失カバーを追求するのがよりよいかたちではないでしょうか。