データバインディングを利用したアプリケーション開発で、双方向バインディング
(View→DataSourceおよびDataSource→Viewに変更を通知)を実現するためデータソースとなるオブジェクトにINotifyPropertyChanged
を実装する方法がああります。そのための基本的な方法は各プロパティのセッターでPropertyChangedイベントを発生させるコードを記述することです。
1 | int testProperty; |
この方法の問題点は
- 記述量が多く、時間の掛かる単純作業となること
- ドメインコード(アプリケーション固有コード)とインフラストラクチャコードが混在すること
です。単純作業はスニペット・T4テンプレート・コードジェネレーションなどの方法で回避できます。
ドメインの記述の自由度を保つためにはなるべくインフラストラクチャの制限を受けたくありません。POCOエンティティが見直されているのはそのためだと理解しています。ドメインコードとINotifyPropertyChanged
を実現するコードを分離するため、MicrosoftのUnity依存性注入コンテナ
を使うことが考えられます(下記コード参照)。
1 | using System; |
Person
はDataSourceに指定するエンティティ、NotifyPropertyChangedBehavior
クラスはINotifyPropertyChanged
を実現するクラスです。Person
は自動実装プロパティを使用していて単純な記述になっています。またセッターに割り込むためにvirtualを付けています。Intercept.NewInstanceWithAdditionalInterfaces<Person>
を使ってインスタンスを作成すると、元のクラスがインタフェースを実装していないにもかかわらず、実装しているかのように扱うことができます。特定の基本クラスを必要としませんので、インフラストラクチャコードを気にしないで継承を使用できます。また表示用には直接Person
のコンストラクタを呼び出し、編集用にはUnityを使ってインスタンスを作成するといった使い分けをすることもできます。
上記コードではエンティティ内でプロパティ変更時アクションを記述する場所がありませんので、外部から使用するのと同様にイベントハンドラを追加するか、特定の名前のメソッドを決めておきプロパティ変更時に呼び出すなどの工夫が必要になります。